Waka Kawamoto

留学期間
2017年3月 - 2017年12月
滞在都市
オーストラリア
参加プログラム
ビジネスインターンシッププログラム
インターン先
福祉、医療関連の人材会社
海外ビジネスインターンシッププログラムに参加し、語学研修中にスピーキング力を飛躍的に伸ばし、人一倍色々な経験を積んだ川本 和佳さんから体験談をいただきました。この記事では、川本さんの体験談を留学カウンセラーとのインタビュー形式でご紹介します。

インタビュー内容

留学先選びに関して

まず留学をしようと思ったきっかけを教えてください

長期留学をしようと思ったのは、高校1年生の春休みの経験があったからです。
私の高校と姉妹校提携をしてる学校がカリフォルニアにあって、昔は交換留学制度があったのですが、最近はずっと止まっていました。ちょうど私が高校に入ったタイミングの時に、その留学制度が再開したので応募をしたら通って、10日〜2週間くらい行ったのですが、高校生レベルの英語しか喋れなかったので全然会話ができない経験をしました。しかし、その留学がとても楽しくて、そこから大学は英語専攻にしようと思い、さらに大学在学中に機会を見つけて1年間留学しようと決めました。

高校の留学制度も毎年やっているのではなく、ちょうど高校1年生のときに私の高校からアメリカの高校に行き、高校3年生のときにアメリカの提携校から私の高校に受け入れるというタイミングだったので、非常に運が良かったと思います。

毎回全校生徒の中から約20人選ばれるのですが、3年生は、受験があるため基本的には2年生から優先的に選出されていくので、当時1年生だった私は通るかわからなかったのですが、テストの成績と面接で熱意を伝えたら枠に入ることができました。また、3年生のときには、1年生のときに行ったアメリカの高校生の女の子を私の家に受け入れるという形を取りました。

その高校生の短期留学前から英語は好きだったのですか?

全然興味なかったです。(笑)
洋画も見ない、洋楽も聞かない、そして外国人にも興味がないという状態だったので、英語を学ぶ意欲はゼロでした。でもこの経験があったからこそ、大学で英語を専攻しようとも思えましたし、こうやって海外インターンシップに参加している自分がいるなと思います。

大学は外国語大学に通われていますが、留学をしている人は多いですか?

はい、3分の2くらいの人は短期か長期の留学をしているのではないでしょうか。
基本的には専攻語の国に留学をしに行っています。学校の交換留学を使っている人もいるし、私みたいに休学をして海外でインターンシップをしている人もいますし、語学学校に通うだけの語学留学に行っている人もいます。また、単身でルワンダに渡り、支援活動をしている人もいます。

大学の交換留学の枠も結構あるのですか?

とても少ないですね。
交換留学で、さらに学費まで出る留学は、学部で成績1番か2番くらいの人のみです。自費だけれど単位交換をしてくれる留学(休学にならないパターン)も学年で20人行けるか行けないかの競争率です。そもそも外国語大学には出身がフィリピンで元々英語は堪能に喋れますみたいな人もごろごろいるので、そういう人たちがその枠を持っていくのが毎年の流れになってしまっているのです。また、カリキュラムが決まってしまっているので、最初から私みたいに休学をしようと考えている人がたくさんいます。

皆さんいつ頃から留学を決め、いつから留学するのですか?

私は2年生が終わって、3年生を休学してワールドアベニューの海外ビジネスインターンプログラムに参加しました。みんなは、結構ギリギリに決めている人もいました。2年が終わる直前の年明けくらいに「行こう!」と決めている人もいました。周りが留学をしている人が多い分、そういった思い切りの良さはあるかもしれないですね。(笑)

最初はどのような留学をしようと考えていましたか?

今は留学経験がある人がたくさんいるので、みんなとは違う留学をしたいなと考えていました。そのときにいくつか海外でインターンシップができるというのを見つけたので、インターン留学に絞って探し始めていました。

留学エージェントで海外インターンプログラムを持っているところにとりあえずメールを送り続けて、返信があったところにいくつか質問をしていました。

やりとりした留学エージェントは何社くらいありましたか?

最終的に5社くらいとやりとりをしました。
アメリカ、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアというような英語圏でのインターンシップが多かったのですが、他のエージェントの人と話したときは、インターンシップができるかわからないというような感じでした。とりあえず行ってみて、語学学校に行きたかったらそのまま語学学校に通い続けてもいいし、大学に行きたかったら大学に行ってもいいしみたいな曖昧な感じのところが多かったイメージです。

その中でワールドアベニューのインターンシップ・プログラムを選んだ理由は?

一番最初にすぐ返信があり、電話したときに対応してくれた担当スタッフがたまたま私と同じ出身校だったのです。(笑)もうこれは直接会うしかないですねとなって直接お話をすることになりました。

たまたま折り返しの電話でかかってきた人が同じ高校の人で、丁寧に説明をしてくれたので、こういうのも巡り合わせかなと思って、決めました。後から知ったのですが、実は親同士も繋がっていました。(笑)

留学に対する不安はありませんでしたか?

元々不安をあまり感じないタイプなので、不安はありませんでした。
どうなるかはわからないけれど、行かなきゃわからないからとりあえず行ってしまえみたいな感じでした。(笑)一度短期留学にも行っているし、旅行でちょこちょこ海外に行っていたので大丈夫かなと思っていましたね。

海外インターンシップはどういった内容を想像していましたか?

来る前のイメージは、コピーを取って、書類をまとめてというようなお手伝いをしているのを想像していました。外国語大学にいながらも英語が全然喋れなかったので、英語ができないのだと思っていました。授業でもネイティブの先生がついて英語を喋る機会があったのですが、喋れる人がずっと喋っているというような環境で、日本語を英語に直さないと英語が出てこないレベルでした。なので、なんとなくお手伝いができるようなレベルになっているのかなというのが一番最初のイメージでしたね。

英語や語学学校に関して

最初の1ヶ月で感じたことは何ですか?

まずシドニーでのホストファミリーが高校のときに行ったザ・ホストファミリー感(すごい優しい人達)とけ離れたホームステイ先に当たったので、最初はびっくりしました。周りのビジネスインターンの同期は普通だったのですが、たまたま厳しめのステイ先に滞在することになったので、いきなりオーストラリアの洗礼を浴びました。(笑)

一度、何かで怒られているときの英語がわからなく、「Googleで調べろ!!!」と携帯電話を渡されたときは、悔しい思いでいっぱいでした。もっと喋れれば自分の意見も伝えられたのにと。。苦しみながらも「くっそー」と思いながら、英語のモチベーションにしていた感じです。英語で喧嘩できるくらいにはなってやろうと。(笑)

そのホームステイを早く出たいと思い、シェアハウス探しを始めたものの、シェアハウスを見つけるまでにも苦戦して、数日ホテル暮らしをしました。みんなが普通住むような形でもともとあるシェアハウスに入るのではなく、仲の良い人たちと一緒に不動産を借りるという形を取ったので、余計に時間がかかりましたが、貴重な経験をすることができました。

学校はどうでしたか?

まず私が参加したビジネスインターンは、2つの学校に通うプログラムでした。

1つ目の学校は、一般英語をやるMIT Instituteという学校で、ブラジル人の会話スピードに圧倒されて始まったのが印象的でした。何で私と同じクラスにいるのだろうと思うくらい喋れる人たちでした。しかし、座学をやると私の方が全然できるので、平均的に均されて同じクラスにいるのだなと納得しました。改めて日本人が喋れない人種なのだなと痛感したタイミングでした。(笑) MIT Instituteの人たちとはプライベートでも遊びに行く機会がありました。人生で初めてカジノに行ったのもMIT Instituteのブラジル人の友達とでした。

2つ目の学校は、JET English Collegeというスピーキングに特化した学校でした。そこは、どのレベルに入ってもネイティブのスピードで授業を教わるのですが、最初の先生が本当に容赦ない先生だったので、ポカーンとしてたら終わっていたというくらい「めっちゃはえーじゃん」と思っているうちに終わっていました。(笑)でも、外に出たり、インターンシップをしたらこのスピードで喋られるのだと思うと非常に良い勉強になりましたし、私はJET English Collegeの授業が好きでした。

どのくらいのタイミングで授業に慣れましたか?

MIT Instituteはすぐに慣れましたが、JET English Collegeは1−2週間くらいでコツを掴んでいったのを覚えています。

JET English Collegeはいくら文法などができても完全にスピーキングの点数でクラス分けがされるので、徐々に難しい表現が口から出るようになってきました。MIT Instituteは、途中でGeneral EnglishからIELTSクラスというクラスに移り、よりクラスのレベルが上がり、クラスもチリ、チェコ、ブラジル、韓国、タイの人が1人ずつくらいだったので完全英語環境で授業が楽しくなりました。

英語はどのくらいのタイミングで伸びたと実感しましたか?

語学研修が修了するタイミングくらいが一番感じましたね。
ビジネスインターンシップで就業するために英語コミュニケーションスキルテストというのがあるのですが、習熟度確認のために語学研修のちょうど真ん中のタイミングで中間テストがありました。もともと書きは苦手でしたが、喋りは得意だと思っていたので、ノリでなんとかなるだろうと思っていたのですが、あと2点足りなくて悔しい思いをしました。そこから再度スピーキングを意識して学校を休まず通い、外でもなるべく英語を使うようにしていたら語学研修が修了するタイミングのテストでは、合格点を大幅に上回るスコアを取ることができました。

プログラム内のビジネス英語はどうでしたか?

めちゃくちゃ難しかったです。(笑)
特に私が到着した時期は1年の中で1番ビジネスインターンシッププログラムの同期が多いタイミングだったので、クラスの緊張感溢れるピリピリした感じは未だに覚えていますね。

同期には、とても喋れる人もいるし、ビジネスの知識がある人もいれば、両方ともこっちに来てから学ぶ人たちもいるので、「もっとガンガンいきたいのに・・」と悔しい思いをしながらやっていました。最後は、みんなわからないところを教え合ってみんなでやり切った感がありましたね。実際にインターンシップが始まるとそういった単語が出てくるので、「あぁ、悔しい思いしながら覚えたこれね。」みたいな感じで思い出していたのが記憶に残っています。また、メールの書き方や面接の練習、電話の練習、そしてプレゼンテーションの練習などは非常に良いアウトプットの機会になりました。

インターンシップに関して

インターンシップの面接はどうでしたか?

企業によって様々ではあるのですが、私が受けたいくつかの企業は面接が一瞬で終わりました。(笑)「こんなで判断できないでしょ!もっと聞いてください!」と思うこともたくさんでしたが、それと同時に海外っぽいなとも思いました。内定が複数出ましたが、最終的に福祉、医療関連の人材会社で働くことが決まりました。

インターンシップをした会社や職種などを簡単に教えてください

私は福祉、医療関連の人材会社の人事として月曜日から木曜日まで週4日間フルタイムで2ヶ月半ほどインターンシップをしていました。会社としてはいくつか事業があったのですが、私がメインでやっていたのは、ホームケアの仕事の求人応募者の中から適任者を見つけ、介護が必要なところに送るというようなことをメインでやっていました。インターン期間中は、月曜日から木曜日があっという間に終わっていた気がします。

インターンシップスタート時はどのような業務から始まりましたか?

初日から「電話取ってもらえる?」と言われびっくりしましたね。(笑)こっちは日本みたいに研修制度ってないのかなと同期に確認していた気がします。会社の説明なし、英語力の確認なしで大丈夫なのかなと思いながら、最初はドキドキして席に座りました。
 
練習ではやっていたもののいざ電話を取ると、頭が真っ白になってしまいましたね。
 
まずはじめに思っていたことは、「頼むから電話は鳴らないで」と。
オフィスはある程度の規模があったのですが、まず私のところでワンコール目が鳴って、その後に他のデスクの電話が鳴り始めるというような完全にいじめ状態になっていました。(笑)

最初から問題なく電話対応はできましたか?

ビジネス英語のクラスで電話対応の練習などをしたので、全くもってわからないみたいなことは全然ありませんでしたが、会社の知識がゼロの状態だったし、まだどこの部署がどういうのをやって、誰につなぐべきかというのがわからなかったので、最初は助けてもらいながらやっていました。

完全にやりながら覚えていく感じだったのですね

はい、泳げないのに海に投げ出された感じでした。
メールチェックしておいてと言われても、「メールですね、、、たくさん来てますけどどうすればいいのですか???」というようなとりあえず頭の中に常にハテナが浮かんでいたイメージです。(笑)

簡単な1週間の流れを教えてください

月曜日に土日の求人などのメールを振り分けて、データベースにアップロードしていく業務から始まり、そのデータベースのステータスを管理して、インタビュー予備軍として報告していました。火曜日が面接、木曜日に合格者向けの業務説明という流れだったので、それに間に合うように面接手配のやりとりをしたり、説明会の準備などやリマインド作業をやっていました。

インターン中に苦労したことはありますか?

そんなこと?と思うかもしれませんが、「人の名前」を聞き分けることに苦労しましたね。電話がかかってきて、内容を理解して、「担当に繋ぎますので名前を教えていただけますか?」と聞いて担当に名前を伝えるといつも「誰?」となっていました。始業したての頃に、インターンを統括しているJenifferさんという人に繋ぐ際に、
 
Waka「クレイジーさんからお電話です。」
 
Jeniffer「クレイジーって名前な訳ないでしょ、あなたの耳がクレイジーでしょ。」
 
Waka「わかってるけど、聞き直してもクレイジーと言っているんです!!」
 
というやり取りをしていたことがあります。(笑)今となっては良い思い出ですが。

名前は大事ですが、何度も聞き直すと不機嫌になる人は不機嫌になってしまうので、どうすればいいのだろうととても悩んでいました。1回聞き直し過ぎて相手がブチ切れてしまって、電話を思っきり切られてしまった経験もあります。そのときは、「やばい、やってしまった。」と焦りました。それを上司に伝えると、「いいよいいよ、気にしないで。本当に必要だったらまたかかってくるから。」と優しくしてもらって救われました。(笑)

逆に嬉しかったことはありますか?

インターンシップ後半は大体こういう流れですべてが回っているというのを把握できて、自分がその中心の1つで会社をコントロールしていた感覚があった際に、インターン統括のJenniferに「最初いきなり電話取ってと全然説明もなくやらせ始めたけど、文句言わずにやり始めて、ここまでできるようになったのは本当に凄いよ!!」と褒めてもらったときは素直に「ありがとう」と心の声が出ていましたね。

さいごに

日本に帰ったらどういう企業で就職をしたいと考えていますか?

日本にいるときに約2年間アパレルで働いていたのですが、将来的にはファッション関連の雑誌を出版している会社で働きたいなと思っています。出版社は狭き門だし、入った後も厳しいなと思いますが、挑戦したいなと思っています。

留学を通じて、職業観などに影響がありましたか?

この1年を通しても、やはり日本に帰ってからやりたいことは変わらなかったです。オーストラリアに来て感じたことは、日本に比べてファッションの意識が高くなく、感覚が違っていたので、好きな服を自由に選べるファッションが身近にある生活が良いなというのは改めて強まりました。

インターンシップをやっていても自分が楽しいと思える仕事は進みが早かったので、日本で就職する際は、楽しい、面白い、やりがいのあるという仕事を勝ち取りたいなと思いました。

これからの目標を教えてください

帰って2つやりたいことがあります。
 
1つは、せっかくこうやって英語を伸ばしたので、日本での就職も日系のファッション雑誌の出版会社ではもったいないかなと思っています。なので、外資系のファッション誌でエディターとして経験を積みたいと考えています。こっちでの経験を活かして、日本でも求人が出ていないところにガンガンコンタクトを取って、コネクションを作っていきたいと思います。
 
2つ目は、ぼんやりですがバイヤーにも興味があるので、個人経営のような小さいところでもいいので、そこで経験を積ませてもらいながら、知識やスキルもつけていきたいなと考えています。
 
昔までは海外からの雑誌などはハイブランドが多く、あまり意識してみていなかったのですが、そういった企業で働ければミラノやパリのコレクションだったりとか海外と触れる機会が多いと思うので、以前まで日本の雑誌に焦点を当てていたのですが、英語を活かして視野を広げていこうと思いました。

留学を検討している方へメッセージをお願いします

日本で生活をするのであれば、海外に出なくても普通の暮らしはできると思うのが本音です。でも、幅広く活躍をしたいと考えるのであれば、海外の価値観を知ったり英語を習得することは必要だと思います。また、日本だけで生活するなら海外に出なくても大丈夫なのだなと感じたこと自体、私も海外に出たから知ったことなので、少しでも興味があるのであれば来てみることをおすすめします。

私のこの留学では、外国の人とのコミュニケーションは意外と苦戦しなかったのですが、逆にシドニーにいる日本人とのコミュニケーションに苦戦をした時期があったので(笑)、普段大学でよくいる友だちと少し距離を置いて、新しい価値観を持った人たちと交流して、生活していくこともとても良い経験になるのではないかなと思います。

留学はお金も時間もかかることかもしれないですが、少しでも行けるチャンスがあるのであれば、是非そのチャンスを掴んでいただきたいと思います。