Saori Endo

留学期間
2017年10月~2018年10月
滞在都市
オーストラリア/シドニー
参加プログラム
海外ビジネスインターンシップ留学
インターン先
オーストラリア 教育機関
海外ビジネスインターンシップ留学に参加された幸織さん。「留学を経て、私の人生の歯車が前向きに動き出した」といいます。仕事を退職しての留学には不安や迷いもあったようですが、ご帰国後中学生の時から思い描いていた仕事ができているそうです。今回は、充実した生活を送っている幸織さんの体験談をご紹介いたします。

 

1.留学を決めたきっかけ


留学することを決めたのは 社会人になって4年目、英会話を始めたことがきっかけでした。
中学生の頃から英語が好きで、将来は「世界と日本との架け橋となる仕事」がしたいと考えていました。高校生になってからは英語部に所属、じゃんけんに勝ち(笑)部長も務めました。イギリス人顧問との活動は、より一層英語に対する面白さを感じた機会でもありました。

しかし、大学へ進学し国際系のサークルに入ったのをきっかけに、英語に対してコンプレックスをもつようになります。様々な国のダンスを踊りながら交流を深めるユニークなサークルで、公用語は英語・日本語・中国語。留学生や英語をスラスラと話せるメンバーも多く、自分の英語に対して自信を失い、英語を全く話さなくなりました。いつしか中学生の頃に思い描いていた「海外とかかわる仕事」に就こうとも思わなくなっていました。
大学卒業後は、元々興味のあった、教育関係の仕事に就きました。その会社で数年務めた後、SEに転職しました。貿易事務など英語を使う仕事も考えましたが、 TOEICなどのスコアを持っておらず、ビジネスシーンで英語を使いこなせる自信がなかったため、踏み切ることができませんでした。
SEの仕事に慣れ、何か新しいことを始めようと思ったとき、ふっと思い付いたのが英会話でした。英会話を始めたことで、英語が好きだった気持ちを思い出します。そこから留学したいという気持ちが一気に高まり、 やるなら今しかないと留学を決意しました。年齢的にも自分のためだけにお金や時間を費やすことができる機会は最後という思いもあり、そんな私の決断に、両親も「あなたらしいんじゃない」と背中を押してくれました。

2.海外ビジネスインターンシップでの渡航を決めた理由


↑同じ海外ビジネスインターンシップ留学に参加した大学時代の友人とオーストラリアにて。

もともと「遊んで終わり」という印象があった一般的なワーキングホリデーや、英語の勉強をするだけの語学留学は考えていませんでしたが、具体的に「どのような留学であれば帰国後のキャリアにつながるのか?」と聞かれるとわからない、そんな状態でした。

悩んでいても始まらないので留学エージェントに相談することに。職場に近いという理由から(笑)、1番に話を聞いたのがワールドアベニューでした。担当のカウンセラーさんは「現状」から「将来どうなりたいのか」ということまで、よくカウンセリングして下さったうえで「海外ビジネスインターンシップ」の留学プランを紹介してくれました。留学経験を形として残したいという思いや、教育関連の仕事への想いから、幼児教育に関する資格を取る留学なども考えましたが、「帰国後に必ず幼児教育の仕事に就くのか?」と聞かれると、「絶対」とはいえず、専門的な留学内容にしてしまうと逆に帰国後の選択肢を狭めてしまうのではないかとアドバイスをいただき、ビジネスインターンプログラムに決めました。
決め手はやはり、今後のキャリアを幅広く見据え、ビジネスの現場で使える英語を身につけることのできる留学ができるという点です。
海外インターンシップを取り扱う留学エージェントは多くありません。そもそもインターンシップの取り扱いがなく語学学校でビジネス英語コースを受講することを勧められたり、インターンシップを取り扱っていても現地での生活のサポートが充実していなかったりと、ワールドアベニュー以外しっくりくる会社がありませんでした。
インターンシップを通じて現地企業で働くことができ、留学生活を充実させられそうだったこと、自分に厳しくできる環境が整っていることなどから、7~8社ほど留学エージェントの話を聞いた後、最終的にワールドアベニューの海外ビジネスインターンシップでの渡航を決めました。
正直、限られた留学期間のなかで、私のインターン先のようなしっかりとした組織で働くことは、自分一人の力ではかなり厳しかったと思います。そもそもエントリーするだけでも勇気がいりますし、企業とのコネクションも必要です。インターン先企業を探すだけでもかなり時間を要するでしょう。絶対に不可能ではありませんが、 限られた時間のなかで効率よくインターンをするうえで海外ビジネスインターンシップのプログラムの選択は最良の判断だったと感じます。

3.海外ビジネスインターンシップでの語学研修(ダブルスクール)


ダブルスクールはスケジュールに慣れるまで体力的に大変でした。しかし、元々英語の授業は好きなので、1回も休まなかったほど楽しい学校生活を過ごすことができました。
MIT Instituteではアッパーインターミディエートレベルからスタートし、最終的にIELTS対策コースに進みました。ブラジル人や韓国人など、ともに英語を学んでゆくなかで様々な国の友人も増えました。
MIT Instituteの良かった点は、先生の個性が強く、とてもバラエティーに富んだ授業が行われていた点です。先生のテンションの高さに驚きました(笑)。
何よりも印象的だったのは、授業の方法・進め方です。日本のように先生が英文を訳すというような方法ではなく、様々なメソッドを使って授業を行ってくれました。例えば、問題もパズルのような形式で出したり、TEDトークを見たり、洋楽を流して聴き取りをしたり、生徒が疲れている雰囲気であればゲームを導入したり、工夫が凝らされているので飽きずに学習できます。また、様々な国籍の先生が在籍しているため、イントネーションや考え方の違いを垣間見ることも多く、すべてがとても新鮮な経験でした。

一方JET English Collegeは、ネイティブのスピードに慣れるためのトレーニングをすることができました。クラス人数が多いタイミングだったこともあり、発言する機会はMIT Instituteほど多くはありませんでしたが、 ネイティブスピードに慣れることができました。先生は皆フレンドリーなので、受け身で授業を受けるのではなく、積極的に授業に参加するとより英語力を伸ばすことができると思います。
JET English Collegeのビジネス英語コースもとても実践的で、英語を使用しながら働くうえで役立つ授業でした。社会人経験があったのである程度は理解できましたが、それでも知らない単語や概念に出会い、学びがいがありました。SEとして会計関連の仕事をしていたときに行っていた内容が授業中に出てくることもあり、英語でまた違う角度から学べたのは大変興味深かったです。

4.語学研修期間中の放課後の過ごし方


図書館で20時ぐらいまで勉強する日もあれば、まっすぐ家に帰って英語関連のYouTubeを見る日もあり、その日の気分に合わせて勉強を続けていました。シェアメイトのタイ人は遅くまでアルバイトをしていたので、帰ってきてから時間があれば話をすることもありました。


土日は図書館に行ったり、ビーチや公園に行ったり、ミートアップに参加するなど、積極的に外に出て生の英語にふれるように心がけていました。


平日は家事があまりできなかったので、休日を使ってスーパーで食材を購入、平日分のご飯の作り置きなども行っていました。


先述した通り、ダブルスクールは慣れるまで少し体力的に大変だなと感じたこともあります。しかし、やること自体はとてもシンプルで、慣れてしまえば、そこまでストレスになることもなく、日本で朝から晩まで、ときにはお休みの日まで働いていた日々を思えば、勉強とプライベートとバランスの取れた生活を送れました。

5.ビジネスインターンシップサポートと面接


MIT InstituteとJET English College、どちらの先生も履歴書の添削などインターンシップを始めるための準備を行ってくれました。私の場合、面接が決まってから実際に面接を受けるまで二日間しかなかったので、現地スタッフさんに面接のポイントを教えていただき、それをふまえてネイティブの友人に面接の練習をしてもらいました。 面接当日はご飯がのどを通らないほど緊張しましたが、準備していた内容を話すことができたと思います。面接内容は志望動機や自己PRなど、日本の就職活動でも聞かれるような内容でした。
私は教育関係のインターンシップに興味を持っていたため、合致しているインターン先を紹介してもらえたことは本当に感謝しています。

6.インターンシップ内容


私は 約4ヶ月、教育関係機関で、ウェブ関係とマーケティング関係の仕事を行っていました。もともとSEをしていたことから、ウェブを整備したりバグを直したりする仕事を任せてもらいました。また、マーケットリサーチとして、例えばアジアの国々の潜在顧客を探したり、日本の英会話会社を調べたりする仕事も行いました。私のインターン先は インターン生と正社員という垣根がなく、柔軟に意見を聞き入れてくれる環境が整っていました。上司から「このレイアウトはどうしたらいいと思う?」「これはどう変えたら良いと思う?」など質問され、私が提案した意見が実際に採用されることも。とても風通しの良い働きやすい環境だったと思います。インターンを始めて最初に驚いたのは、インターン初日にボートミーティング(役員会議)に参加させてもらえたことです。5%くらいしかネイティブ同士の会話を聞き取ることができず、本当に焦りました(笑)。しかし、インターン生でも大切なミーティングに参加させてもらえるということは、とても貴重でありがたかったです。

私のインターンシップ先はオーストラリア人しかいない環境だったため、常に英語が飛び交っている環境でした。大変だったことは、直属の上司の指示を聞き取ることです(笑)。社会人経験があるからこそ、やっていること自体は予測できるものの、受けた指示の理解が間違っていては大変です。はじめのうちは何を指示されたのかわからないこともあり、聞き取れたことをメールにまとめ、何度も確認することもありました。このとき、 「やっぱり語学学校の先生たちは、留学生の私たちにわかりやすく話してくれていたんだ」ということをしみじみ感じました。同時に、インターンシップに参加せず、語学を学ぶだけの留学で終わってしまっていたら、そのことに気が付く機会はなかっただろう…… と、やはり海外ビジネスインターンシップを選んで正解だったと感じました。

電話対応もとても苦労しました。インターンを始めて2~3ヶ月経ったとき、ボス(直属の上司でCEO)に呼び出されました。私の仕事ぶりを褒めてくれたのでとても気持ちが高揚しましたが、次に言われた 「じゃあ今日から電話対応してね」という言葉で地獄に突き落とされました(笑)。その場で何度かボスが直々に電話対応の練習に付き合ってくれ、その日から私も電話を取ることになりました。電話の取り次ぎだけでも聞き取れないことがあり、本当に大変でしたが、1日5~6件ほど対応するうちに少しずつ慣れました。
インターンで1番やりがいがあったのは、3日間開催されたカンファレンス(会議)の運営に携わったことです。さまざまな語学学校のダイレクター(取締役)を案内したり、プリントが無くなったら印刷して届けたりと、プレゼンの進捗状況に合わせて適切に対応する臨機応変さを求められました。とても忙しく大変な3日間でしたが、オーストラリアでの大きなイベントの企画や運営方法を学ぶことができ、貴重な経験になりました。また、私自身が構築・整備したウェブサイトをゲストに目の前で使ってもらうことができたことは、やっていたことが活きていると実感し、大きな達成感を感じました。さらに、カンファレンスの運営表に私の名前も含まれており、組織の一員であること・役割を任せられているということに大きな喜びを感じました。

7.留学中の休日の過ごし方


インターンを始めてから2~3カ月のタイミングで、生活費を稼ぐためにアルバイトを始めました。人生で初めての飲食店でのアルバイトだったのですが、勝手が分からないことも多く、ほぼ毎回他のスタッフから怒られました。そのおかげでメンタルが強くなりました(笑)


月曜日から金曜日までインターンがあったので、土日はルームパーティをしたり散歩をしたりとのんびり過ごしました。


帰国直前には、エアリービーチや、ハミルトン島などがあるウィットサンデー諸島に2週間一人旅をしました。現地のツアーにネイティブの方と一緒に参加したり、ホワイトヘブンビーチに行ったり、シュノーケリングをしたり、ジェットボートに乗ったりと、なかなかできない経験を目一杯楽しみました。

8. 帰国後の就職活動

帰国後は、留学を通じて得た経験と英語力を活かし、大学を中心に英会話講座を運営している会社で働いています。外国人講師との会話は全て英語で行われ、日本の生活に慣れていない講師の日常的なサポートから、講師の監督者として講座運営の指導を行ったりしています。
また、大学生に直接私自身の留学経験を話す機会もあり、若い世代が留学(海外)に興味をもって一歩を踏み出すきっかけを提供できている、という点でもやりがいを感じます。現在の勤め先は、日本の企業でありながらグローバルな環境で外資のような面もあり、ワークライフバランスもしっかりしていて気持ちよく働けています。

何度か転職も経験しましたが、ようやく中学生の頃に思い描いていた「世界と日本の架け橋になる」という夢を実現できる、 自分にぴったりの仕事を見つけられました。友人たちからも「留学して本当によかったね!」「変わったね!生き生きしている」と言われます。

9.留学を考えている方へのメッセージ


今、留学を考えている方、悩んでいる方へのメッセージは大きく3つあります。
1つ目は、「やりたい」と思ったことは挑戦してほしい!ということ
2つ目は、人生無駄になることなど一つもない!ということ
3つ目は、「自分の意見」をしっかりもつ癖をつけて欲しいということ です。

まず、「やりたい」と思ったことは挑戦してほしい!ということについて
留学を経験したことで新しい人生が始まったと言えるほど、私の人生は大きく変わりました。
正直、渡航するまで、仕事を辞めて留学することは「逃げ」かもしれないと迷ったこともありました。「石の上にも三年」という重圧があるなか帰国後(20代で)2度目の転職をすることは後のキャリアを考えたときに大丈夫なのか不安に感じました。両親に大学まで出してもらったのにもかかわらず、今の仕事を本当に辞めていいのかと悩みました。
しかし、思い切って挑戦したことで、今思い描いていた仕事ができています。あの時一歩踏み出したからこそ、今の生き生きとした自分がいます。 留学に挑戦して本当に良かったと心から思います。
どんなことでも、まずはチャレンジをすることが大切です!一歩踏み出してみれば、意外と何てことはありません。留学でも日常での小さなことでも自身がやりたいなと思ったことは挑戦してみて下さい!

2つ目の人生無駄になることなど一つもない!ということについて
留学する前にも教育業界からIT業界に転職をしていたことで、自分のキャリアの矛盾や一貫性のなさに不安を感じたことがあります。しかし、教育業界での経験、SEとしての経験、この両方の職場で得た知識や経験全てが、インターンや帰国後の転職に繋がりました。「無用の用」という言葉があるように、一見フィールドが違うから役立たないのではないかと思っていた経験も、随所で活かすことができました。人生無駄になることなんて1つもありません。
今まで自分がやってきたこと、培ってきた経験に自信をもって皆さんにも前に進んでいただきたいです。

最後に、「自分の意見」をしっかりもつ癖をつけて欲しいということについて
何を隠そう、これが私が留学中最も苦労したことです(笑) グローバルな場面においては、自分の意見をはっきり主張しないと、周りの勢いに押し流されてしまいます。どんな些細なことでも、自分自身の思いをアピールすることはとても大切です。留学前から幅広く様々なことに興味をもち、自分なりの意見を考えて発言することを癖づけておくと、より一層留学生活を充実させられるはずです。

私は留学を通じて、 英語力だけではなく度胸や行動力も身に付いたと感じています。実際に留学後は仕事がお休みの日でも国際交流のボランティアに参加したり、シンポジウムに参加したり、以前と比較してとてもアクティブになりました。
失敗を恐れずに、「失敗こそ最大の学び」であるという姿勢で何事にも挑戦してゆくと、人生がより豊かになると思います。
皆さん、まずは一歩を踏み出してみてください。