Yu Tsuruoka

留学期間
2017年4月 - 2018年4月
滞在都市
オーストラリア
参加プログラム
ビジネスインターンシッププログラム
インターン先
オーストラリアの大手クルーズ会社
語学学校の折返し地点のタイミングでインターンシップ先から異例のスピードで内定をもらい、有給の部署を含めて約6ヶ月インターンシップをやりきった鶴岡 木綿さんから体験談をいただきました。この記事では、鶴岡さんの体験談を留学カウンセラーとのインタビュー形式でご紹介します。

 
インタビュー内容

留学前の日本での状況に関して

日本での大学生活に関して教えてください

津田塾大学の英文科に通っていて、3年次を休学して1年間シドニーに来ています。大学では、半分くらい英語の授業で4技能すべてを学んでおりますが、ネイティブの先生が少なく、スピーキングのウェイトは少なめです。基本的に週に3冊英語の本を読んでいて、1つの授業では毎週1冊丸々本を読んで、サマリーや分からない単語をすべて書きだすなど結構みっちりやっておりました。

以前から大学では英語をやろうと決めていたのですか

そうですね。英語ができる学部を探しており、英文科か国際系の学部しか受けていませんでした。何をやりたいかが決まっていなかったので、小さいから大事と言われていた英語を極めようと思って大学選びをしました。

英語を勉強し始めたきっかけはお父さんの影響が強いと思います。
外資系の企業で働いていて海外に出る機会が多いのにも関わらず、英語のせいで不自由に感じることがあったため、幼稚園くらいから「英語だけは絶対にやった方がいい。」と言われていました。他の教科は二の次でもいいから英語をやった方がいいと言われていましたね。(笑)小学校のときも英会話学校での勉強を進められ、当時はとても恥ずかしがり屋だったので最初は乗り気ではない中、英語に触れていたことを覚えています。小さい頃から英語の歌や映画を見ていましたね。

そのおかげもあってか、中学の時は、英語がとても好きで、テストも毎回満点で、満点ではなかったらすごい落ち込むというくらい得意でした。しかし、高校は留学ができるようなところを選んで、英語ができる人が多い中で、最初のテストだけ良い点を取ったので、「英語ができる」という認識が根付いてしまった中で、大きく順位を落ちてしまって悔しい思いをしたことを覚えています。そのときに改めて大学ではもっと英語を極めようと思いました。

留学に関して

高校でも留学をしたということですか?

高校で初めて2週間カナダに留学をしました。そのときは何も喋れないレベルで行ったのですが、あまり伸びたという実感はありませんでした。5W1Hの質問ができるようになったくらいでなんとか生き延びていたという感覚ですかね。その後もホームステイ先の人と連絡をしていたので、ホームステイの娘さんが日本に来たタイミングで久しぶりに話をしたときに更にまた全然しゃべれないなという悔しい思いをしました。

他の人より英語を触れていた幼少期だったと感じますが、それでもスピーキングに苦手意識はあったのですか?

全然だめでした。
小さい頃はビデオを観て単語などは伸ばし、学校では文法を伸ばしてテストの成績だけは取れていましたが、使える英語ではありませんでした。一応、中学の頃から英検は受け続け、大学でもTOEICを来る前に受けて785点とそれなりの点数は取れていましたが、コミュニケーションを取ったりする実践的な英語力はとてもじゃないですがありませんでした。

では大学時代にも絶対に留学をしようと決めていたということですか?

はい、決めていました。
逆に両親も「留学しないの?」と聞いてくるくらい海外に出るのが当たり前の状況で、日本に留まっているのはもったいないという考えでした。そのため、大学は「留学ができるか、できないか」で選び、それもあって、「英語の津田塾」と言われている今の学校に進路を決定しました。しかし、いざ入ってみると、制度はしっかりとしているものの協定している学校への留学条件が厳しいため、休学留学が盛んでした。

周りでも留学している人が多かったのですか?

そうですね。結構多いです。
1年時に一緒のセミナー(ゼミに近い団体)にいた12人くらいのうち、5人くらいが留学をしています。でもやっぱり普通の語学留学ではなく、特別な留学を求めている人が多かったですね。一人は私と同じように現地の企業で営業などのインターンシップに挑戦しようと渡航していました。その人は自らで挑戦をしにオーストラリアの他の都市に行ったため、結局インターンシップはできずに終わってしまったみたいですが。やはりそこに関しては個人で挑戦するより、会社として提携を結んでいる方が強いのだろうなと思いました。

語学留学ではなく、特別な留学を求めた経緯は?

最初は、ただ英語が伸びればいいやと思っていました。でも大学1年の夏にバンクーバーに語学学校で1ヶ月英語を勉強した際に、ただただ楽しく終わってしまったので語学学校に1年留学をするのはあまり合わないなと私は思いました。それで何か面白い留学はないかなと調べていたときに海外インターンシップに参加できる留学を見つけました。ワールドアベニューの他にもう1つ良いインターンシッププログラムがあったのですが、渡航先がアメリカをメインとしていて、費用がとても高かったのとワールドアベニューのインターンシップの方が評判が高かったのでこの留学に決めました。

その後、もともと留学をする前にお父さんのつながりでオーストラリアに住んでいる人から話を聞いていて、シドニーは日本人やアジア人が多いよという話を聞いていたので少し迷ったのが本音です。しかし、企業が集中しているところでないとやりたいインターンシップはできない可能性が高いのと、移民が多い国だから逆にそういう多国籍な人種と関わり合うことで人間の幅を広げていければいいなと思って最終的な決断に至りました。

インターンシップ開始前に関して

到着して最初の数カ月は?

カナダに行ったときは1ヶ月しかなかったので、それと比較はできませんでしたが、あっという間に1ヶ月が過ぎたので、やはり腰を据えて勉強をしないと英語は伸びないなと思った時期でしたね。生活は、ホストファミリーは割とあっさりしていて、一応1つ下の双子の女の子はいたのですが、アルバイトや学校で忙しかったので学校の勉強を復習してどうやって勉強をするか考える時間が多かったと思います。でも家族自体は非常に良い人たちで、週末はクラブに一緒に行こう!と誘ってくれたり、一度お母さんもクラブに一緒に来たりもしました。(笑)ホームステイを出ても連絡をくれて、その後も今までに何度か遊びに行ったりもしましたね。

学校に関しては、カナダの語学学校とはまた全然違う環境で、良い面、悪い面比べちゃうところはありましたが、英語に関してはしっかりと勉強できたのかなと思います。最初に来たときは以前に留学経験もあるし自信があったのですが、最初のクラス分けテストで「私このレベルなのか。。」と現実を見させられたときはとても悔しい思いをしました。でもそれがモチベーションとなり、次のテストですぐに上のクラスに行き、先生にも恵まれたのでとても勉強になりました。上のクラスでは容赦なく早いスピードで話すし、ガンガン質問が飛んでくるので嫌でもインプットもアウトプットも早いスピードで行うことができました。

JET English Collegeのビジネス英語は、最初びっくりしましたね。日本語でもビジネスの知識がないので、本当に苦労をしました。授業の復習をしないと全然ついていけないので、ビジネスインターンの意識高いメンバーでビジネスを専攻している人や既に社会経験のある人達と情報交換をしながら英語とビジネスの知識をつけていきました。元々留学中は日本人と関わらず、英語を伸ばすために外国人と話そうと思っていましたが、ビジネスインターンで参加している人たちからは本当に助けられたし、お互いのモチベーションを上げ合う良い関係だったので、一緒にいて本当に良かったと思っています。私の持っていないところをもっていたってのも魅力的でしたね。学校や学部などの関係上、日本では関わらなかったような人たちも多かったです。

最初は、学校から帰ったら宿題をして、それ以外に単語をやったり、日経新聞を読んでメモを取ってというようなことをひたすらやっていた覚えがあります。スピーキング力をつけるためにシェアメイトと遊んだり、ギターを教えてもらったりなど色々な形で会話の数を増やす努力もしていましたね。

インターンシップの面接はいつくらいにありましたか?

到着時期の都合上、中間のスピーキングテストに合格をしてすぐに1つだけ面接の機会をもらいました。そこでしっかりアピールすることができたからか、学校が終わる前にインターンシップの内定をもらうことができました。また、たまたま運がよく、学校が終わった翌週からインターンシップをスタートができるという状況でした。

レジュメ(履歴書)の準備とかはどうでしたか?

日本とは全然違うので最初は戸惑いました。日本は履歴書の項目をフォーマットに沿って埋めれば良いだけですが、こっちはフォーマットもないので自分で作成していかなければいけなかったですし、サマリーとかオブジェクティブ(要約や目的)に関してもどうやってかけばいいのか全然わかりませんでした。でもいざやり始めてみたらインターンプログラム中にそういった対策があったり、学校の先生を使って添削してもらいながら準備を進めていったので、いつのまにかできるようになっていたというのが率直な感想です。早めに内定が決まったので、その後も今後のために先生に何度も見てもらってブラッシュアップをした覚えがあります。

面接はどうでしたか?

面接は本当に緊張しました。
1対1ならまだしもインターンを見ているメンターさんとアメリカのセールス・マーケティングの人と日本のマーケットをみている人の3対1での面接だったので、尚更ですよね。(笑)履歴書の他にインターン用のアプリケーションがあって、それに関しては面接中にしっかりと喋れるように徹底的に準備をしたので、そこまで面接で答えられない質問をされた覚えはないですね。それでも緊張をしすぎて、「Meeting」という単語が出てこなかったのは今でも覚えています。(笑)面接の後にもらったフィードバックで、採用だけど英語力をもう少し伸ばす必要が言われたときは、そりゃあ大事な場面で「Meeting」の単語すら出てこなかったらもっと伸ばさないといけないと突っ込まれるなと冷静に思いましたね。(笑) 他には、日本の面接みたいに「宜しくお願い致します!!」みたいなきっちりしたものを想像していたのですが、3人いるのに関わらずカジュアルな感じでスタートしたので拍子抜けしました。(笑)

ビジネスインターンシップに関して

イメージしていたインターンシップに対してどんな印象を受けましたか?

最初のイメージは、みんなパソコンに向かってカタカタやっているイメージだったのですが、行ってみたらみんなとてもフレンドリーで、会社のトップの方も普通に話かけてくれるのでみんなととても気軽に話せる職場環境でした。

インターンシップの内容はどんな感じでしたか?

大手クルーズ会社で週5日みっちりフルタイムで3ヶ月働き、2ヶ月半週4日で働いていました。また、その会社内の予約などをする手配関連の部署で土日に有給で働かせてもらったので、学校が終わってからはほぼインターン先で過ごしたという感じですね。(笑)

会社は13カ国くらいの国籍バックグランドを持った人たちが混ざっているグローバルな環境で、基本は、セールス・マーケティング部での業務で、週1でアカウンティングの部署、月1でオペレーションの部署で仕事を行いました。また、国外の部門とやりとりするところでも働きました。

最初は、競合他社との比較みたいなところで、他社の価格比較やアジアクルーズをやっている会社のリサーチなどを行い、レポートにまとめる業務から始まりました。それ以外にもエクセルやワードを毎日のように使用して色々なデータを作成したり、プレゼンテーション用の資料を作ったりと本当に様々なことに挑戦させてもらいました。手配関連の部署では、電話やチケットオフィスで予約関連をしたり、質問のメールなどに返したり、旅行会社に確認メールなどを送ったりとツアー参加前に関わることほぼすべてをやっていましたね。

ビジネススキルはインターンシップの方から多くを吸収し、英語に関しては有給のアルバイト(手配部)で電話を始めとした多くのコミュニケーションを通じて学ぶことができたので、本当に恵まれた環境で働くことができました。

始めるときは不安でしたか?

とても不安でしたね。
初日に分厚いマニュアルをもらって、「覚えてきてね」と言われ、引き継ぎを担当したオランダ人とドイツ人のインターン生がネイティブ並みに喋れたので、この先やっていけるのかなと思いました。

オランダ人の人からは、「悪いけど、私が最初始めたときの方ができてたよ。」「私はインターンが始まる1ヶ月前から会社のプロダクトとかを全部調べて理解してたし、仕事を早く覚えていく準備はできてたけど、あなたは全然準備していないよね?」と言われたときは、本当にショックでした。その後は、ずっとマニュアルやパンフレットを徹底的に隅から隅まで何度も目を通していたことを覚えています。悔しくて悔しくて。。(笑)

苦労したことはありますか?

やっぱり英語は苦労しました。(笑)
最初全然通じなかったですね。手配部のボスに「リスニング得意?わかるように意識してゆっくり喋ろうと思ってるんだけど大丈夫?理解してる?」と言われたときに「やっぱり英語力がないインターンシップがきた」と思われているのだなとちょっとショックでしたね。わからないことがあってボスに質問をしても通じなかったり、お客さんの対応をしているときに「何言っているの、この人」みたいな顔をよくされたので最初は悔しさをモチベーションにがむしゃらにやりましたね。

英語も知識もすべて努力不足だなと感じる瞬間だったので、最初は苦しかったですけど常に自分を高めるように意識してやるようになりましたね。数をこなすしかないなと思ったので。

逆にインターンシップ中に嬉しかったできことは何ですか?

アカウントの部署で、最初の1ヶ月くらいはお客様から受け取ったバウチャーやインボイスをスキャンして管理することから始まったのですが、その後仕事の成果や働く姿を認めてもらって、支払いの管理や責任のある仕事を任せてもらったときは嬉しかったタイミングですね。大きな仕事をとることができた!という実感があったので。

また、新しく入ってくるインターンへは先輩インターン生が教育をする必要がありました。それに関して最初は教えるなんて絶対に無理だと思っていたのですが、最後蓋を開けてみたらオーストラリア人を含め5,6人に業務を教えることができたのも嬉しかったです。特にそのオーストラリア人は理解をしないと先に進まないような少しやっかいなインターン生で毎回「なんでそれをするの?」「これはどういう意味があるの?」と聞いてきました。その人を動かすために考えて、「あ、これはただ言われていたことをやっていただけだな。なんのためにやっていたのだろう。どのように伝えれば効率的に働いてくれるだろう」と考える習慣がついたのも非常に勉強になり、嬉しかったですね。どんな仕事にもある程度やる「理由」があって、それをなぜやるのかわかって、全体のどこの流れなのかわかってやるのとただ淡々とやるのでは数カ月後に大きな差が付くなということが気づけただけでも中長期のインターンシップを海外でできて本当によかったなと思いました。

他には、6ヶ月近くやっていたので同じようなタスクは効率化して早めに終わらせて新しい仕事を取りにいっていたのですが、一時期ボスに聞いても回せる新しい仕事がないという閑散期に突入して、インターンが少しつまらなくなったときがありました。そのときに逆に自分で作ってしまえばいいのではないかと思って、ロングタームで完成させる仕事を一つ作って提案をして、辞めるタイミングで提出し切りました。それに関してはボスも今まで以上に褒めてくれて、会社に貢献できた感がありました。

インターンシップを終えて、今後の職業感に変化はありましたか?

最初のうちはスキルが多く学べる会社に入りたいなと思いました。今回に関しては、インターン生で若さとパワフルさで可愛がってもらった感が若干感じられたので、今後自分のキャリアを良いものにしていくにはスキルをしっかりと見に付けていかないといけないなと感じました。

業界などははっきりと絞れていないのですが、やってみて「やりたいこと」「やりたくないこと」というのが明確になってきたかなと思います。また、1つの業界だけに絞られたくないので、色々な業界と関わりを持てる仕事も魅力的だなと感じました。

また、1つ感じたのはインターンシップの業務の1つでFacebookなどのSNSで会社のプロダクトを宣伝する業務などがあったときに、「この文章で心は打たれるのかな?」と考えていくうちに広告代理店などに興味を持つこともできました。今まで以上に色々とアンテナを張り、良いものを探してメモを取る習慣がつきましたし、ただ1ユーザーとして使っていたinstagramをビジネスの観点からどうやったら見てもらえるかと見ることができるようになったのも1つの成長かなと思います。

さいごに

最後にオーストラリアでの思い出を教えてください

インターンシップ先での思い出が大きすぎて、ほぼほぼ占めている気がします。(笑)
インターン先で色々なつながりができて、休みの日も時間を共有するようになり、新しい場所を探しては一緒に行っていました。また、会社のボートパーティーなども定期的に開催されては、毎回誘ってもらいました。もちろんそのインターンでも辛いことはありましたね。受付でお客様対応をしていたときに、船の故障で次の船を案内することになり、次の船もたまたま遅れてしまった際に、「5分で来ると言っていたのにいつになってもこないじゃないか。嘘つき!」と怒鳴られたときは、辞めたいなと思いました。(笑)その後も他のお客さんに対しても「あいつは嘘つきだから、他のクルーズ会社に変えたほうがいい!」と怒鳴り散らしていました。でもその後、船長さんだったり、ガイドさんが気にかけてくれて謝りにきてくれたり、抱きしめてくれたときは、「家族みたいだな、将来こういう温かい会社で働きたいな」と感動したことを覚えています。

それ以外にはルームメイトと遊んだ記憶も強いですかね。家に帰って、バルコニーで喋って、映画を観て寝るという普通のようなことなのですが、他の国の人達との関わりだし、シドニーに来なかったら他の国の文化も知ることができなかったのだなと思うと本当に良い思い出かなと思います。

今後の目標は何ですか?

「自分に足りないことを見つけて補っていく」というのが目標です。
インターンシップや留学生活を終えて、「思考力」を始めとした弱い部分が見えてきたので、そういったところを日本に帰って鍛えていきたいなと思います。

留学を迷っている人へのメッセージをお願いします

大学留学とかではなかったので、実践的に学べることがたくさんあったのと、インターンシップをやったからこそ語学留学では出会わなかったであろう色々な年齢の人や国籍の人と深いつながりを持てたので、ビジネスインターンシッププログラムに参加して本当に良かったなと思います。もともとビジネスの知識があったわけでもないですし、日本でインターンシップもやったことなかったので、最初は不安でしたが、いざ来てみたらサポートしてくれるスタッフや仲間がたくさんいるので、全然問題ないなとすぐに感じました。最初の1歩を踏み出せれば、日本では得られなかったプラスになる経験しかないと思うので、例え海外留学に反対の両親がいたとしても何度も説得をして来るべきではないかなと私は思います。