大学生や若手社会人は、長い職業人生(キャリア)のスタート地点にたっています。第二新卒といわれるまで、日本のビジネス社会では業界や職種の自由度が高く大学の出身学部や最初の就職業界からの大幅なキャリアチェンジも可能です。この時期までに自分の人生を自分で切り拓いていくキャリアの考え方を身につけておくべきでしょう。海外留学はキャリア思考とスキルを身につける大きなチャンスを与えてくれる1つのオプションです。今回は海外ビジネスインターンシップ留学とキャリア思考の関係について解説致します。
キャリア思考が必要な理由
大学生に至るまで日本の教育環境では、両親や教員が将来の進路について本人に変わって考え道筋を示してくれる傾向にあります。しかし、就職活動、つまり社会に本格的に出なければいけない局面で”自分で”人生の進路を決めさせる風潮に変わります。海外の教育制度では高校の初期段階から自分の将来の進路について本人の意思が尊重されるだけでなく、大学の卒業学部と就職先との関係性が強いため大学で学ぶ科目も慎重に選ばれます。日本では、医療系の学部や法科大学院など一部の専門職に紐づく学部や研究職を除けば大学で学んだことと就職の関係性は欧米に比べると小さいと言えます。
しかし、いつまでも就職先の自由度が高いというわけではありません。初めての就職先または累計勤務年数が3年を超えたあたりからキャリアが定着し、転職する際は同様の業界や職種に留まった方が条件が良い傾向になります。そのため、就職後に短期間に転職を繰り返してしまったり、就職後一定年数たってからキャリアを大きく変えることは不利に働くことがあります。それを避けるためには、大学生や若手社会人のうちから自分のキャリアをしっかり意識して将来の進路や現在やるべきことを設計していくキャリア思考が不可欠なのです。
また、大学生活が楽しく順風満帆な人ほど、大学在学期間中に立ち止まって自分の人生を通して何にチャレンジしていくかを考える機会が少ない傾向にあります。また、気がついたら新社会人として働き始めてしまった場合も同様で日々の生活に不満はないものの将来に漠然と不安を抱えたり、仕事や日々の学習にやる気がおきない場合は、キャリアについて今一度考える良い機会でしょう。
海外ビジネスインターンシップ留学でキャリア思考が身につく理由
海外インターンへの挑戦は簡単なものでなはく、留学前後から用意や熟慮が必要な要素が豊富にあります。しかし、海外ビジネスインターンへの挑戦はあらゆる過程でキャリア思考を醸成する要素が詰まっていることも事実です。
留学を検討するプロセスからキャリア思考が始まる
海外ビジネスインターンシップ留学がキャリア思考を身につけるのに最適な理由がいくつかあります。まず、第一歩として自ら決断して海外インターンシップへ挑戦するというプロセスが自分の人生に自分で責任を持つというキャリア思考には欠かせない力を身につける機会を与えてくれます。留学を考えるためには、留学するための資金を捻出または貯金しなければなりません。また、大学は休学をしなければなりませんし、社会人の場合は一度退職が必要になります。そこまでの代償を支払ってなぜ留学をするのかということを徹底的に考えることで、自分のキャリアを自分で選ぶという感覚がするはずです。漠然と何かしなければならないから、留学を検討するのではなく、自分のキャリアにおいて留学が必要不可欠だからチャレンジしなければならない理由が見つかるはずです。その答えに至った人が留学中もモチベーションを高く維持し、実りの多い海外留学経験となります。
留学で経験する文化の多様性がキャリア思考を刺激する
日本の大学では、一部の大学を除いて多様性よりも、いかに同じ考え方を持っているかを重視する傾向があり、学生の顔ぶれや考え方も均質化しています。そういった環境の中だけにいるだけでは考え方や視野が狭くなってしまいがちです。海外の刺激は日本では味わうことができないほど強烈で今まで持っていた価値観の狭さを痛感させられることでしょう。また、日本とは全く異なるバックグラウンドで育った海外の人達から新しい考え方を吸収することで自分の将来のキャリアを考えていく上で日本の固定概念から離れて自由に発想することができるようになります。
海外インターンを通してグローバルで活躍するキャリア感を醸成する
海外インターンシップで経験できることは枚挙に暇がありませんが、将来働く場所というキャリア感にどのように影響を与える経験ができるかをご紹介します。多くの人は就職活動に後に日本を本社とする企業に就職をされますが、海外との取引がある会社だけでなく日本国内で事業を展開する会社であっても、海外に影響されない仕事は少なくっています。東南アジアから留学し、日本で就職する学生も増え、同僚に外国人がいる方も少なくないでしょう。
海外インターンでは、まず自分が海外の企業で働く経験になり、インターン生がインターン先で文化の理解や言葉の壁にチャレンジする経験を積みます。つまり、将来日本で働く時に海外から日本に働きに来た人の気持や課題について共感することができるようになります。また、海外赴任や駐在に抜擢された際に、日本人が少数の勤務先だったとしても初めての経験ではなく一度は海外インターンでチャレンジしたことになりますので、日本国内でだけインターンや就労経験がある人に比べてストレスが少なく活躍できる自信が持てます。この自信が将来自分がグローバルに働く、グローバルなチームで働くキャリアを選択する契機になるのです。
海外インターン経験を次のキャリアチャレンジに活かすことを考える
海外でのインターンシップ経験は衝撃の連続です。働くことへの考え方やライフプランの設計、ビジネスコミュニケーションの違いなどを通して、自分の働き方やキャリアの選択を改めて考え直す絶好の機会となります。日本では考えられないほど多様性に富んだ働き方や考え方を海外から日本の企業に持ち込むことで、日系企業がグローバル化を促進するための貴重な人材となることもありえます。海外留学を経験する人は数多く増えていいるものの、海外でビジネス経験を積んだ人の数は圧倒的に少なく、それが日本のグローバル化を阻んでいる1つの要素です。海外インターン経験を踏まえ、自身のキャリアの方向性をより豊かにしていきましょう。
さいごに
海外ビジネスインターンシップ経験は、自分の仕事を自己責任で設計していくキャリア思考をより伸ばす一つの方法です。仕事について何もしたいことが見つからないや、やりがいが持てない、海外にチャレンジしたいけどできていない方にとっては、グローバルなキャリアをスタートさせる契機ではないでしょうか。