最近よく聞く「インターンシップ」。
就職活動を始めた際、就職先を探す前に、まず探し始めるのがインターン先というくらい今の大学生にはインターンシップの重要性が広がってきています。何故ここまで重要視されているのでしょうか。その背景として、新卒3年以内の離職率が30%を超えているという問題があります。企業も新卒一括採用という決められたスケジュール内に本当に適している人材を獲得するのは非常に難しいですよね。そのため、最近では企業と学生間のミスマッチを防ぐために積極的に取り入れている企業が多く見られます。
しかし、私がオススメするのは、こういった企業がミスマッチを防ぐためにやっているような短期間の体験より、他の学生に差をつけるような長期のインターンシップこそが本来やるべきインターンシップなのではないかと思います。この記事では、インターンシップの基礎的な部分や最近の現状、そして何故長期のインターンシップをオススメしているのかをまとめています。
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目次
1. インターンシップとは
2. インターンシップの種類
3. インターンシップの現状
4. インターンシップの重要性
5. さいごに
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インターンシップとは
「インターンシップ」という言葉自体は聞いたことがあるけれど、何のこと指しているのかわからない。
特に大学3,4年生の就職活動を意識する学年から離れれば離れるほどインターンシップを知らない方が多いかと思います。この記事でインターンシップの大枠を捉えることができますので、今日を境にインターンシップの情報収集を始めてみてください。では、「早速インターンシップって何?」というところから見てみましょう。
文部科学省は平成26年度に出したインターンシップに関するレポートにおいて、インターンシップの定義を下記のように定めています。
学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと
もちろん、特に海外では、卒業をした後にインターンシップを行っている人もいるのでこの定義にとらわれる必要はないと思いますが、大事なポイントは「就業体験(就業経験)=インターンシップ」と考えていただいて問題はないかと思います。ではインターンシップの種類に関して確認をしてみましょう。
インターンシップの種類
ここでお伝えするインターンシップの種類は、どういった業種や職業があるといった詳しい内容の話ではなく、そもそもどういう形態で就業体験(経験)をするのかという話をしたいと思います。
インターンシップの種類① 〜有給VS無給〜
まず1つ目の軸が給料になります。基本的には、インターンシップに給料は発生しない「無給」インターンシップが主流ですが、「有給」インターンシップとして募集をかけているところもあります。無給インターンシップは、イメージとして、会社に貢献してもらうような業務を任せたとしても、教育コストの発生や貴重な経験の提供で相殺されるであろうと考えられるからです。長期間働かないインターンシップ生の教育に時間を割くという点を考慮すると無給インターンシップでも納得がいきますよね。有給インターンシップは、作業が発生するため、その対価を払う場合か、学生の技術や能力を提供してもらい、会社の成果にダイレクトにつなげようとしている場合に多く見られます。この「作業が発生するため」というのが注意すべき点で、「有給」という一見魅力的な言葉と今注目を浴びているインターンシップで学生を惹き、企業に「利用されている」学生がいるのも現状です。
有給の方法としては、
1.月給制 / 時給制
2.インセンティブ / 成果報酬制
1の月給制、時給制はアルバイトと似た給与体系をイメージしていただければいいと思います。インターンとして勤務している時間に応じて、時給いくらと設定しているものもあれば、週3−4勤務して月は固定でいくらですと定めているところもあります。事業によって大幅に異なりますが、イメージとしては、時給で設定しているところは、1000円くらいをベースにしているところが多く感じられます。
2のインセンティブや成果報酬型のインターンシップは、プロジェクトを終了させたらいくら、もしくは与えられた課題に対して、達成するごとにいくらという形式を取っている企業などもあります。また、グループワークなどで優勝チームに賞金制を取り入れているインターンシップもあります。
インターンシップの種類② 〜短期VS長期〜
2つ目の軸に、インターンシップの期間が考えられます。上場企業など名が通っている企業は短期型を取り入れていることが多く、半日〜2−3週間を目処に行っています。反対に長期インターンシップは、約3ヶ月〜1年超の期間でベンチャー企業が取り入れていることが多く見られます。
主な目的として、
短期インターンシップ
企業:広報活動、ブランディング向上、採用目的
学生:企業研究、業界研究、先行回数の減免&採用直結
長期インターンシップ
企業:人材確保、採用目的
学生:スキル向上、経験値アップ、採用直結
このように分類されるでしょう。
学生が短期インターンシップに参加する目的は、「就職活動」のプラスになるためにと考えている人が大半と考えられています。一方で、長期インターンシップに参加する学生は、就職活動まで余裕を残した1〜3年次前期あたりに多く見られ、経験値を上げるために行っている可能性が高く見られます。企業の採用担当の立場に立ってみると、これだけ多くの学生がインターンシップを行っている中で、短期のインターンシップをビジネスの「経験」としてアピールしてもあまり評価しようとは思いませんよね。短期インターンシップを行った学生は、「体験」として自分の希望する職業が適正か判断する際の判断材料だと考えた方が良いでしょう。実際に私自身も昔にインターンシップをいくつかの企業で行って、この就業体験と就業経験の違いは非常に大きいものだと感じました。できれば早いうちから長期インターンシップに参加し、一定の期間、プロジェクトに従事することの方が成長できると思いますし、人事の評価もいいと考えられるでしょう。
インターンシップの現状
冒頭でインターンシップを取り入れる企業の増加や参加する学生の数の増加をお伝えしましたが、ここでは実際にデータを使って見てみましょう。
インターンシップに参加している大学生
上記は株式会社ディスコさんがキャリアリサーチを目的として作成したレポート内から引用してきたものになりますが、調査対象の2017年卒大学生の約7割がインターンシップに参加し、インターンの応募すらしていない人はたったの約15%にまでなってきております。
また、下記のグラフを見ると、実際にどういったものに参加しているのかがわかります。
企業の説明会を兼ねた無給の短期インターンシップとして参加する学生が多い印象です。また、学校のプログラムに入っている単位認定型や大学公認型で参加する学生は少なく、自ら行動を起こしてインターンシップを探す必要があります。
インターンシップの重要性
インターンシップは双方のメリットがあるため、今後もより重要視されていくことが考えられます。しかし、重要視されればされるほど、問題が出てくると考えています
それは、「就職活動において、インターンシップを行うのが普通という概念が根付き、学生は、採用プロセスに割く時間が多くなるに関わらず、差別化をするのが難しくなる。」という問題です。
では、どうすればいいのでしょうか。
早いうちから先を見据え、「長期インターンシップ」に参加することだと思っています。
実際に見てみると、インターンシップに参加した人の満足度を見てみると、長期に渡って実務を行うインターンシップをやった方が満足度が高い傾向にあります。この満足度には、長期インターンシップをすることによって、「能力、スキルがついた」とか「志望企業を決める際に役に立った」など就職活動前の状態での満足度を表しています。しかし、インターンシップを行ってから3−5年の期間を経て満足度を測った場合、「短期」と「長期」や「講義」と「実務・実践」の満足度はより顕著に分かれるのではないでしょうか。新卒として横一線で並んで入ったときにも、確実に半歩先からさらにスタートダッシュをかけることができるでしょう。
1dayインターンシップへの参加も否定はしませんが、企業の表面だけを見るのは本質的ではなく、WEBサイトや企業説明会に参加するのと変わりがないと思っています。
データ参照元: 株式会社ディスコ 「インターンシップに関する調査」
http://www.disc.co.jp/uploads/2015/
04/internship2016_01.pdf
http://www.disc.co.jp/uploads/2016/
04/17internship201604.pdf
さいごに
インターンシップに関して詳しく理解することができましたでしょうか。
目的によって、行うべきインターンシップも異なりますが、本当に自分のためになるインターンシップは「自分を成長させる長期インターンシップ」だと思います。そして、さらに他の人と差別化を図るには「海外留学 × 長期インターンシップ」だと思い、このプログラムを作っています。興味がある方は、是非一度話を聞いてみてください。