大手外資系消費財メーカーの2017年新採用方式からわかる海外インターンの必要性

日本でも国際的な環境で働ける”外資系”の会社。世界で働きたいの第一歩となる就職先として留学経験者に人気が高いのですが、どのような採用基準や方法で採用されるのかわからない。海外留学経験や海外インターンシップ経験が外資系企業に就職するのに有利に働くのか知りたいという声を数多く頂きます。2017年6月19日に大手外資系消費財メーカーのユニリーバ−・ジャパンが【UFLP365】という新卒制度を公表し話題になっています。この採用方法から外資系企業が求める人材像を知ることができます。今回は、ユニリーバ・ジャパンの情報を元に海外インターンが必要な理由をご紹介致します。

<ユニリーバ・ジャパンとは?>
イギリス・オランダに本社機能を持つグローバルな消費財メーカーの日本法人です。シャンプーのLUXや紅茶のLipton、スキンケアのVaselinなどはユニリーバが取り扱っている商品です。日本の本社は東京目黒区にあります。
https://www.unilever.co.jp/

<目次>
ユニリーバ・ジャパンの採用から見える外資系で求めている人材像
英語力で足切りされてしまう採用を海外インターンでクリアせよ!
採用直結型インターンシップを甘く見てはいけない!
海外でのインターン経験は、外資系企業の面接でも好印象
外資系企業の面接で勝ち残るために

ユニリーバ・ジャパンの採用から見える外資系で求めている人材像


2017年に発表された採用「UFLP365(ユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラム365)」は、企業の採用方法に大きな風穴をあける画期的な方針がとられています。整理すると、海外留学期間中でも応募できる通年採用(いつでも応募が可能)型が導入されている他、採用直結型のインターンシップ採用方式もあり、企業・学生双方がじっくりと採用マッチングを行えるよう配慮されている。また2次面接までインターネットを用いて行われるため、海外大学に就学している学生が面接のために帰国したり、日本滞在期間を短縮できるように配慮されています。驚きなのが応募可能な対象者で、大学1年生から既卒3年以内までの幅広い層が応募することができます。大学生は自分のキャリアを若い年代から考えることができるため、4年生になったら学業より就職活動が重要という状態を避けることができます。既卒3年以内は新卒として応募できることも、ファーストキャリア(就職1社目)で想定と違う職場でストレスを抱えてしまっていた若手社会人の再チャレンジを可能にします。さらに最終面接と入社の間が最大2年間とれるほか、入社時期も4月または10月を選ぶことができ、卒業後の海外留学のチャレンジや大学院などでの専門学習など卒後の学習を期待しているといえます。

この採用制度から見て取れる人物像は、明らかに「海外留学経験者」・「即戦力となるインターンシップ経験者」と言えるでしょう。まず、海外からでも応募ができる制度であるため、海外に滞在中の学生と日本国内で応募している学生の就職格差を低減する狙いがあります。それは即ち、現在進行系で海外留学中の学生を求めていることに他なりません。また、既卒3年以内を新卒と同じ採用枠で扱う方針は、真っさらな学生よりも社会人経験やインターンシップ経験を積んだ人物が即戦力として活躍を期待しているメッセージと考えられます。採用直結型のインターンシップ採用枠を設けているのも注目すべきポイントの一つです。インターンシップは就職後に企業文化が合わないといったミスマッチを防ぐという目的と、実務能力や仕事に対する考え方をスクリーニングする意味があります。つまり、インターンシップ経験と海外留学経験は、外資系企業を目指す学生に必要な条件と理解すべきでしょう。

外資系企業が求める条件は、「海外留学経験」と「インターンシップ経験」だ!

英語力で足切りされてしまう採用を海外インターンでクリアせよ!

柔軟な採用方針を打ち出していますが、簡単に応募でき、誰でも内定を勝ち取れるわけではありません。外資系の企業は一般的に採用予定人数が少ない傾向にあり国内企業と比較すると競争率は高いといえます。それでも給与水準や福利厚生、就労環境などの面で外資系企業から内定を勝ち取るべき理由は豊富にあります。ユニリーバの2017年度の応募基準には、明確に英語のレベルが設定されています。しかも、応募時点で基準英語力を満たさなければ選考に進むことができません。

【英語力の足切り基準】
TOEIC 800点 (990点満点)
TOEFL iBT 88点 (120点満点)
IELTS Overall 6.5 (9.0点満点 0.5刻み)
※一部抜粋。https://www.unilever.co.jp/careers/graduates/uflp/ より引用

TOEICは日本国内の新卒就職市場において重要な指標の1つとして有名ですが、TOEFLやIELTSなど、海外大学の入学基準でも採用されている英語の4技能を測定可能な試験が採用されており、またスコアも海外大学入学レベルを求めている点に外資系企業が求める基準が見えます。TOEFL iBT88点やIELTSのオーバーオールスコアで6.5とTOEIC800点は英語力に大きな差があります。(TOEFL,IELTSのレベル>TOEICのレベル)TOEICは国内大学生向けの基準と考えられ、本音としては海外大学入学レベル相当の英語力を応募基準として求めたいのではないでしょうか。つまり、TOEIC800点は最低限のレベルであり、入社後のグローバルな環境で働くことを想定すると、TOEFLやIELTSのスコアに裏打ちされた”ビジネスで使える英語力”を必要としている可能性があります。

国内大学在籍の学生はTOEIC800点以上を目指すのがファーストステップ

海外大学に留学していない大学生にとって、いきなりTOEFLやIELTSに挑戦することはおすすめできませんが、応募レベルであるTOEIC800点から目指すのは現実的です。ワールドアベニューで1年間の休学留学に挑戦した大学生の多くがTOEIC800点を超える傾向にあることから、留学で英語をきちんと学べば届かない800点はスコアではありません。しかし、単なるワーキングホリデーや語学留学、フィリピンなどでの短期語学研修でスコアが到達しない傾向にあるもの事実です。最大の敵は中だるみと、学習環境によるでしょう。海外留学では24時間英語環境にすることが可能ですが、アルバイトや遊び、自室にこもってYoutubeや日本の友達とLINEなどで会話など日本語を使えば使うほど英語は伸びません。また、目標をしっかり持たなければ、英語の学習に飽きてしまい途中で投げ出してしまうこともあるでしょう。海外インターンでは、語学学習から海外インターンシップでの就労まで、英語学習に目標設定が明確にされています。インターンシップ開始に必要な英語力を語学学習期間で伸ばさなければいけません。そして、海外インターン期間中には実践でビジネス英語やネイティブとの会話を通じて英語の語彙を伸ばしていきます。TOEICの出題傾向を考えるとビジネスで使うボキャブラリーや英文メールなどインターンで経験する英語は高いスコアを取得する学習につながっています。TOEIC800点は日本国内で英語の学習をしても到達は可能な英語力ですが、多くの学生が就活時期に目標スコアに到達していません。日本で大学に通いながら、バイトも必要、友人関係も大切となると英語の学習に当てられる時間は1日2時間から3時間程度となり、足切り水準以上の必要TOEICスコアを満たすのは難しいでしょう。海外留学で1日8時間から10時間は少なくとも英語学習にあてることを考えると1日あたりの英語学習時間は4倍から5倍となり、必要スコアまでの学習期間が約3分の1以下になります。TOEICスコアは目標に達成すれば、それ以上勉強する必要がなくなります。また、TOEIC800点以上を取ることで、就職後の昇進にTOEICが定められている企業でも心配がなくなります、また一部の国内大学院入試でもTOEICの提出によって英語試験が免除されるところもありますので、TOEIC800点は頑張る価値が十分にあります。海外インターンプログラムに挑戦されている大学生の方に、1年の留学期間中に800点以上を取得すること、可能であれば900点を取得し、必要スコアを満たした後はより上級の英語学習に進むべきとアドバイスさせて頂いています。(IELTSやTOEFLの学習)

大学生の間にTOEIC800点以上取得を目指そう!

IELTSオーバーオール6.5、TOEFL iBT 88点以上は入社までに到達したほうが良い

イギリス圏(オーストラリア・ニュージーランドを含む)の入学に必要な最低英語スキルを判定する試験として採用されている、IELTS(アイエルツ)やアメリカ圏で採用されているTOEFLは、英語の4技能(リーディング・スピーキング・リスニング・ライティング)を測定できる試験となり、TOEICテストより遥かに難しいテストとなります。TOEIC800点以上は、国内大学生向けの英語足切り基準と考えたとしても、IElTSやTOEFLは勉強すべきでしょう。外資系メーカーでは通常業務の中で海外オフィスや海外のデータにアクセスし、仕事をしていく、まさに英語力を活かした仕事であるわけですが、肝心の英語力がなければ太刀打ちできません。TOEICは英語の基礎力(文法力・単語力・リスニング力・短文理解力)を測定することにフォーカスがあてられていますが、スピーキング・ライティングのスキルは別のテストを受けなければ測定できません。(TOEIC スピーキング&ライティングテストも提供されているが、2017年現在まだ一般に浸透していない)IELTSやTOEFLは、リスニング・リーディングであってもさらに高いレベルの英語力(海外大学の授業が理解できるレベル)が求められると共に、スピーキングとライティングスキルも測定されます。外資系メーカーに入社してくるのは、国内の大学卒業生ばかりではなく海外大学を卒業した日本人学生も含まれているでしょう。海外大学で学んだ大学生は当然高い英語力を持っています。入社後に英語力で大きく差をつけられてしまい、海外出張のチャンスや部署異動の機会を奪われないように海外大学組に匹敵する英語力を身につけられるように英語学習に励むべきでしょう。IELTSやTOEFLのスピーキング・ライティングパートを伸ばす1つの方法が、海外留学です。どちらもネイティブ講師のフィードバックをもらうことがスコアップの秘訣です。スピーキングやライティングの上達には、自分の間違いを1つずつ修正し、新しく学んだ英語のボキャブラリーやフレーズを取り入れる方法が有効です。海外インターンにおける、英語を実践で使う経験もスピーキングとライティング技能を伸ばす要素となります。アウトプット系の学習は、自分に負荷をかけて英語を使う場面に追い込まれるインターン経験が貴重な刺激となります。入社後も英語で苦労しないように、海外インターン経験でTOEICスコアの次の目標であるIELTS・TOEFLスコア取得を目指しましょう。

ワールドアベニューの海外インターンは、英語を集中的に学び、日本人が苦手とする英語のスピーキング能力の向上に力を入れたカリキュラムとなっています。入社後も英語を使って活躍できる人材を目指して英語の修練を続けましょう。

▶海外インターンシップのプログラム詳細はこちらから。

採用直結型インターンシップを甘く見てはいけない!


1日や1週間など短期間の企業インターンシップは、採用の一貫ではあるものの選考をかねているものは少なく企業体験という役割が大きいといえます。一方でユニリーバ・ジャパンのように1ヶ月間を見込むインターンシップは選考をかねており、インターンシップ選考通過者のみが最終面接に残る制度をとっています。インターンを経て内定が出る可能性があると、一石二鳥のようなイメージを持つ方が少なくありませんが、採用直結型インターンシップほど厳しい選考はないと考えるべきでしょう。グループディスカッションや面接などはせいぜい1時間程度の時間をとって通過可否を判定されます。短時間でパフォーマンスを出さなければいけない厳しさがある一方、対策をたてることも可能です。しかし、1ヶ月にわたるインターンシップは実務能力や仕事の対する姿勢を時間をかけ複数の評価者からの意見を総合して合否を判定されてしまうため、付け焼き刃の対策では見破られてしまいます。また、実務能力についてはアルバイトだけでなく、マーケティングや営業などより実践的な能力や素質を判定する目的があり、大学生活を通した社会人スキル・人間力の差が如実にあらわれてしまいます。最も危険なチャレンジが、採用直結型インターンシップが初めてのインターンシップ経験という方だと思います。いざ参加してみると周囲のインターンシップ参加者の能力の高さに愕然としてしまうというケースも少なくありません。就職活動前に採用とは別のインターンシップ経験を予め積んでおくことが必要です。

採用直結型インターンシップは、短期間での対策が難しい!

実務能力や人間力を培うインターンシップとは?

アルバイト経験も実務能力や人間力を養う貴重な経験の1つであり、さらに普段の生活を支える生活資金を稼ぐために大学生には必要不可欠です。しかし、アルバイトの多くはマニュアルに従って業務・作業をこなすこと、雇い主も経験というよりも労働の対価を求める傾向にあります。社会の一部として就業経験を積むことはできるものの、外資系メーカーや大企業のビジネスマンとして就労するための予備訓練としては十分とは言えないと理解すべきでしょう。しかし、闇雲にインターンシップならなんでも良いというわけではありません。中にはインターンシップという名目で単純作業を押し付けている企業(特にベンチャー企業に多い)もあります。インターンシップなら無給で学生を使えると思っている企業に捕まらないように慎重にインターンシップ先を吟味するべきです。インターンシップ生の数が正社員の数を大きく上回っているような会社は避けた方がいいかもしれません。インターンシップ先でどのような能力が鍛えられるかを意識して探すのが優良なインターンシップを見つけるポイントです。例えばマーケティングやリサーチ能力を伸ばしたいのであれば、マーケティングやリサーチを担当させてくれる会社選びが大切です。

グローバルな環境で働くなら海外インターンシップ経験が大切


英語を使って働きたい、海外から来た世界中のビジネスマンと仕事を一緒にしたいと思っていても、いきなり働けるものではありません。英語力だけでなく、文化やコミュニケーションで守るべきポイントも日本人とは異なります。まして外資系企業で就労すると、いきなり上司やチームメンバーに外国人が参画している可能性もあります。本来なら喜ぶべき環境にもかかわらず、準備不足でパフォーマンスを発揮できないでは困ってしまいます。外資系企業でのインターンシップでもどの程度、さまざまな文化の中で日本人としての強みを活かしつつチームワークで仕事に取り組めるかを判定されている可能性があります。しかし、多国籍な環境でインターンシップを予め経験する機会を日本国内で得るのは至難の業です。海外インターンプログラムのメリットは、英語圏の海外企業で約3ヶ月にわたって就労するチャンスがプログラムに組み込まれていることです。英語を使ってコミュニケーションをすることはもちろん、海外のビジネスパーソンから海外で働くことの大変さと楽しさを体得できます。海外での就労経験を積んだ大学生と、国内だけで頑張ってきた学生が国際的な環境での採用直結型インターンシップを受けた場合、大きな差が出るのは明確です。大学生の間に海外留学でインターン経験を積み、外資系企業のインターンシップに立ち向かえるよう準備していきましょう。

多国籍な環境で生き残れる力を海外インターンで培っておこう!

海外でのインターン経験は、外資系企業の面接でも好印象

英語の合格基準をクリアした後に待ち受けるのは1次から2次面接です。面接は面接官が大学生に直接質問しながら、企業側で定めている採用基準を満たす人物かどうかを見定めていくプロセスである上に、就職後の離職率を低下させるために企業文化に順応できる存在か、また企業が目指す方向性と大学生が目指す方向性に大幅なズレが生じていないかを確認しています。企業側からすると一連の採用活動は多くの予算と人材を割いて将来の会社の成長を後押ししてくれるメンバーを探す過程となります。外資系企業では特にグローバルな就労環境が前提となってきますから、全く海外経験もなく、英語力もそれほど高くない大学生に内定を出すのはリスクが伴います。面接では、これまでの海外経験(場所・期間)を聞かれる可能性が高く、他の能力が一緒であるならば海外経験が豊富な大学生が選ばれると考えても良いでしょう。よほど優秀な人材であれば、入社前に1年程度の留学猶予をオファーしてくれることもあるでしょう。しかし、海外留学経験者が増えている昨今では海外留学経験者を優遇されるでしょう。海外留学経験があれば何でもいいかというと全く違います。単なるワーキングホリデーでアルバイトが中心となった留学や、春休みや夏休みの短期間のホームステイ経験だけでは面接官へのアピールに繋がりません。ここで、海外インターン経験組は面接で自分がグローバルな環境で働くために挑戦したことを面接官へアピールすることができます。グローバルな環境で働きたいので、海外インターン経験で海外のビジネスを肌で感じてきている大学生は面接官の目に止まりますが、就労後はグローバルな環境になるにもかかわらず全く海外と接点のない学生生活を送っている学生では応募動機に辻褄が合わなくなり不採用となってしまうリスクが高まるでしょう。単に、外資系がかっこいいから受けたという印象にならないために、自分が海外経験を”これまでも”積極的に積んだ実績があると面接官を説得できる材料を増やしておくと外資系企業の選考通過率を高められるでしょう。

外資系企業の面接で勝ち残るために

外資系企業であっても明確な英語力のスコアを公開している会社は少ないといえますが、今回のユニリーバ社の公開情報から他の外資系企業でも求めている最低限の英語力をうかがい知れたのではないでしょうか。大学生から第2新卒の社会人までトライできる採用方式に挑戦するための最低限のチケットがTOEIC800点以上と理解して、大学生の早いうちから対策を進めておくべきです。TOEICは海外留学組にはそれほど難しいスコアではありません。一歩ずつ勉強していけば必ず到達することができます。また、採用直結型インターンシップを甘く見ないで事前にインターンシップで実務能力を高めておきましょう。エントリーシートの書き方や志望動機の作成、面接は短期間での対策が可能といえますが、長期のインターンシップで実務能力を判断されるタイプは大学生活を通じた総合力が試されてしまいます。海外インターンに挑戦して、実務能力・海外経験をしっかりと積み、憧れの外資系企業へのパスポートを掴みましょう。

海外インターンの体験談はこちら→https://world-internship.com/experience/manami-toida

外資系企業であっても日本支社の採用方針やプロセスは公開されています。グローバルな環境でチャレンジしたい、国際的な企業へ入社したいという思いがある方は、公開されている採用情報を参考に留学期間中のゴールや目標を立てて行きましょう。

ワールドアベニューでは、海外インターンのサポートでキャリアカウンセリングの有資格者が定期的にカウンセリングしています。将来の目標を見据えて企業研究や留学前に取り組むべき学習を二人三脚で準備できます。何から始めるべきかまだわからない人ほど、早めにワールドアベニューの無料留学カウンセリングをご予約くださいね。