昨年、ユニクロやGUを運営するファーストリテイリングが海外インターンシップを行う「GLOBAL STUDY PROGRAM」を開始し、メディアを騒がせました。なぜここまで大きな話題になったかと言うと、ユニクロが渡航費や滞在費だけでなく、食事代や現地の交通費も会社が負担をしてくれるという待遇からだと思われます。このプログラムに選ばれた人たちは、内定者ではないというところも驚きでした。もちろんユニクロの柳井社長のメッセージにも書いてあるように、海外の支社に新しいアイデアを運んでくれるというメリットもありますが、これだけのコストを負担して行うプログラムを見ると、海外インターンシップの重要性が改めてわかります。この記事では、プログラムの詳細を確認してみた上で、なぜ海外インターンシップを行うことが大事なのかを確認していきたいと思います。
Photo credit: Keisuke Omi via Visual hunt / CC BY-NC-NDw
ユニクロのインターンプログラムとは?
まずはユニクロがYouTubeに上げている2016年のムービーレポートを見てみましょう。
ムービーレポートは、ロンドンを取り上げていましたが、2016年にはそれ以外にも上海、シンガポール、台北、メルボルンで実施されていました。また、2017年には、前述された都市以外にニューヨーク、ソウルなどで行われた様子です。2016年の例を見てみると、「10年後のユニクロ」をテーマにビジネスプランを徹底的に考え抜き、プレゼンテーションを行います。参加者は、現地での成長戦略を考えるために役員や駐在員の方のアドバイスを聞きながら実際にフィールドワークや店舗研修に参加します。
約1週間の短い滞在ですが、非常に密度の濃い内容で組まれています。下記に2016年の詳細をまとめてみました。
2016年のスケジュール例
海外渡航スケジュール: 2月中旬 計7日間
開催都市: ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、上海、ソウル
応募資格: 4年生大学、大学院、短期大学、専門学校の全学部・全学科
※上記学校に在学中であれば、1年生から応募可能
※選考に関して、語学力や海外渡航経験は不問
費用: 往復航空運賃、現地宿泊費をファーストリテイリングが負担
■2月6・7日:日本国内で事前研修 (16人を3チームに分け、ロンドンでの実行プランを立案)
■2月15・16日:渡英
■2月17日:現地研修① ロンドン市街調査
■2月18日:現地研修② ユニクロ店舗調査・現地スタッフとのQ&A
■2月19日:現地研修③ 現地の日本人スタッフとのQ&A・中間発表
■2月20日:現地研修④ 最終プレゼン
■2月21日:帰国
■3月17日:成果発表会
※引用元:FAST RETAILING 新卒採用ページ
■2月17日:出発
■2月18日:現地研修① 現地CEO=最高経営責任者や営業責任者、マーケティング責任者、人事・教育責任者、スーパースター店長との経営課題の討論、成果発表する新規サービスや新規事業のテーマ決め
■2月19日:現地研修②ユニクロ・サンテックシティ店での店舗研修および店長との質疑応答、新店開発責任者、商品開発責任者との議論
■2月20日:現地研修③ 競合店などの市場調査、中西一統人事部長との質疑応答
■2月21日:現地研修④ ユニクロ・ブギスプラス店での店長との質疑応答、店舗従業員や顧客への聞き取り調査、RGF(リクルートシンガポール法人)でのレクチャー
■2月22日:現地研修⑤ シンガポールマネージメント大学での大学生への聞き取り、三井住友銀行シンガポール支店でのレクチャー
■2月23日:成果発表(新規サービスや新規事業に関するプレゼンテーション)
■2月24日:帰国
※引用元:日経ビジネス
現在は、第3期生のプレ募集として1日プログラムの案内がされています。
例年を見ていると、来月あたりから正規募集が始まるので出ないでしょうか。
https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/info/1day-program-announce
ユニクロの海外インターンプログラムから学ぶ重要なポイント
Photo credit: seektan via Visual Hunt / CC BY-NC-ND
ユニクロの「Global Study Program」のメッセージに、
多くの学生のみなさんに海外での実体験プログラムに
本気で参加してもらうことで、自由で大きなビジョンを手に入れてほしいと考えています。
日本にいるだけでは獲得できない新しい就業観を提供します。現地で出会うのは、あなたの本物の可能性です。
という内容の記載があります。
日本のインターンシップでは知ることのできない経験ができるのが海外インターンシップです。
言葉の壁から始まり、様々なビジネスシーンで日本での常識が通用しない局面が出てきます。
将来的に海外に働きたい。駐在員として派遣されたい。と考えている方は、絶対に学生のうちから海外の働き方に触れておくべきです。必要なスキルの差分が見えるだけでなく、これからのキャリアのモチベーションを得ることも可能だと考えています。
ユニクロの海外インターンシップでは、ユニクロのような大きな会社だからこそできる取り組みを沢山盛り込んでおります。また、海外で実際に日本人が「駐在員」として働くという場面も目の前で見ることができます。
しかし、このユニクロの海外インターンシップは30倍をも超える倍率ですし、誰もが参加できるわけではありません。また、期間は1週間と非常に短く、本当の意味で海外の仕事に従事したいのであれば他の手段で海外インターンシップを探す必要があります。
ワールドアベニューの海外インターンシップが重要視しているポイント
まだ読んでいない方は、海外ビジネスインターンシップを選ぶ際に留意すべき3つのことを是非読んでいただきたいのですが、ワールドアベニューではこの3つを意識して手配をおこなっております。
ポイント1. 海外企業で”ビジネス”インターンシップを実施
ポイント2. 英語力が伸ばせる国でインターンを実施
ポイント3. 成長の実感ができる長期インターンシップを実施
こちらの3つは、価値のある海外インターンシップを選ぶ上で非常に重要なポイントとなってくると思います。日系企業にしか手配を行っていないインターンシップ手配会社もありますが、それであればユニクロのGlobal Study Programのように経営層に意見をぶつけられるような海外インターンを選ぶべきだと思います。そうでなく、仕事に役立つスキル全般を身につけたり、英語力をつけたいのであれば、絶対にワールドアベニューが手配しているような長期海外ビジネスインターンシップを検討するべきです。ユニクロの海外インターンの要項には、渡航前の英語力は問わないと記載がありますが、英語力が低い方は、現地でのリサーチなどで主体的にはなれないと思いますし、もしかしたら国も非英語圏に手配されるかもしれません。グローバル人材になるためには上記3点は最重要検討事項でしょう。
グローバル人材の育成は日本が抱える大きな問題でもありますので、今後ユニクロを始めとした様々な企業が海外インターンシップを取り入れるようになることでしょう。またこれをきっかけに海外企業で長期間のプロジェクトに従事し、使える英語力やビジネススキルを学びたい人材が増えることを期待しています。